
合成なし!夜の星空と女性を同時に撮影するテクニック
時間がたっぷりある、シニア世代におすすめの「星空ポートレート撮影」を紹介します。
シニア世代になり、自由な時間が増えた今、何か新しい趣味を始めたいと考えている方も多いのではないでしょうか?
そんな方におすすめなのが、星空と女性モデルを「合成なし」一緒に撮影する星空ポートレートです。
【シニア向け】合成なし!夜の星空と女性を同時に撮影するテクニック【暇つぶしにも最適】
合成なしで、星空と女性モデルを一緒に撮影するのは「難しそう」とか、「どちらもピントを合わせるのは無理では?」。
そう思われるかもしれません。
でも、実はちょっとしたコツと機材があれば、誰でも簡単に合成なしで無限遠の星と数メートル先の女性をきっちり撮影できるのです。
自然に触れ、夜空を眺めながら写真を撮る体験は、心のリフレッシュにもつながります。
今まで知らなかった世界に、ぜひ一歩踏み出してみませんか?

カメラに詳しい方なら、星と女性モデルの同時撮影は難しいことを知っています
星を撮影する場合、ピントは無限遠で絞りは解放、露光時間は30秒程度、ISOは800の設定です。
これに対し、女性モデルまでの距離は、数メートルです。
星にピントを合わせれば、モデルさんがピンボケ。
逆に、女性にピントを合わせれば、星が写りません。
カメラ好きな方は、チャレンジして失敗された経験があるのではないでしょうか。
また、時間を割いてくれた女性に対して、「失敗しました」は、ちょっとバツが悪いですよね。
この記事の写真を見ただけで「ははぁん!大体わかった!」と言う方は別にして、この難問を解決する方法を解説しましょう。
必要な機材一覧:高価な機材なしでも始められる!
星空と女性モデルを一緒に写すために必要な機材は意外とシンプルです。
すべてを揃える必要はありませんが、次の道具があると成功率がぐっと高まります。
デジタル一眼レフカメラまたはミラーレスカメラ
以下のマニュアル設定が出来るものであればsOK。
大抵のカメラはエントリー機でもこれらの十分な機能があるはずです!
- マニュアルフォーカスが出来ること
- 長時間露光(シャッタースピード30秒)が出来ること
- マニュアル絞り(解放)が出来ること
- ISO800~1000に設定できること
明るいレンズ(F値2.8以下)
単焦点レンズが良いです。ズームレンズはちょっと厳しいですが、可能です。
例:50mm F1.8は、値段も激安ですし、非常に明るいレンズですのでおすすめです。
レンズのF値(絞り値)は小さいほどレンズが明るく、短い時間で光を取り込めます。
星空ではとくに光量が少ないため、F2.8以下のレンズがおすすめ。
「F1.8」「F1.4」といった単焦点レンズなら、星も女性もくっきりと写せます。
長時間露光
星空をしっかり写すためには、シャッタースピードを30〜60秒ほど開けておきます。
ただし長すぎると、星が線状に流れたりします。
この撮影時は、星を写すために必要な30秒というシャッター時間です。
ISO感度を上手に設定する
ISO感度はカメラの「光を受け取る力」を表します。
一般的にはISO1600〜3200くらいがベストですが、明るいレンズなら800程度でも十分星が写ります。
ISOの設定は、高すぎるとザラザラしたノイズが目立つ場合が有ります。
このため、カメラの実写テストで微調整しましょう。
ピントはマニュアルフォーカス(MF)
星にピントを合わせるには、カメラのAFを作動させません。
つまりマニュアルフォーカス(MF)で「無限遠」付近に合わせる必要があります。
三脚
ブレを防ぐため、できるだけ頑丈なもの(重いもの)を選びましょう。
裏技として、三脚に砂袋をぶら下げて、重さを追加する方法も有ります。
レリーズ(またはセルフタイマー)
レリーズは、手ブレ防止のためシャッターボタンを直接押さずに撮影するためのものです。
1000円~2000円で購入できます。
無い場合は、2秒タイマーを使えば、ブレを防ぐことが出来ます。
懐中電灯(赤色ライト推奨)
カメラの設定で、真夜中夜間のセッティングは、意外と苦労するものです。
赤色のLED照明は、目が暗順応した状態を保てますからお勧めです。
星と女性の同時撮影で100%失敗する例!
星空と女性を「合成なし」で撮影する基本テクニックですが、大抵の方が失敗する例です。
モデルさんに「30秒間、微動だにしないで」とお願いする:無理です
「星空もモデルもブレずに一緒に写す」ためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
よくあるのが、女性モデルに、30秒間だけ「呼吸を止めて」とか、「微動だにしない」とお願いする例です。
気持ちはわかりますが、これ、根本的に違いますし、100%失敗します。
モデルの顔にライトやストロボを一瞬当てる:モデルがピンボケで失敗します
また、よく失敗するのが、モデルの顔にライトやストロボを一瞬当てるというものです。
しかし、無限遠にピントがありますから、女性モデルは酷いピンボケ写真になります。
そもそも、顔にライトを当てると、ピンボケも重なって「幽霊」みたいな写真になります。
しかも苦労して撮影したすべての写真、たった1枚すら使えないことになります。
星と動くモデルさんにピントを合わせる方法を紹介
前述のとおり、失敗例を上げましたが、対策が有るのです。ストロボを使用します。
リモコン式ストロボを用意、出来れば3台

リモコン式ストロボ3台を用意します。えっ?費用が!
いえ、ネットで海外製の無線式ストロボ3台セットで、格安(1万円以下)で買えます。
メーカー純正ストロボなどなくても、それで十分です。
ストロボは、まず、モデルさんの真後ろ(なるだけ至近距離)に1台配置します。
そして、更にモデルさんの正面側両脇にそれぞれ1台ずつ設置します。
モデルさんを三角形で囲むような配置が基本です。
無線ストロボを手動で同時に照射してテストしてください
TTLは効かない格安ストロボですから、深夜のモデルさんの写り具合(光加減)を実際の発光テストを行って、各ストロボの出力を調整します。
モデルさんの真後ろのストロボは強め(1/4~1/8)に設定
これはモデルさんの輪郭を逆光で輝かせて浮き上がるような、「合成では出来ない」写真にすることが出来ます。
また、薄いスカートなどの場合、逆光でほんのり透けて、スタイルの良い脚が浮き上がりますのでお勧めです。
両脇正面側のストロボは、全身に光が当たるように距離を置いて弱め
発光出力は、弱め(1/16~1/64)が良いでしょう。
この時のテスト時はAFを使って構いません。何度も撮影して、綺麗に撮れる状態にしましょう。
この時、カメラとモデルさんの距離も覚えておきましょう。(目見当で〇〇メートルでも可)
ピントをマニュアルで調整出来るレンズを使用する
星と女性モデルの同時撮影は、レンズにマニュアルでの焦点距離調節のリングが有るものを選びます。
※廉価版レンズなど、レンズに手動でピントを調整できるリングが無いものは、この方法は使えません。
合成なしで星と女性モデル撮影について(本編)
長々と説明しましたが、ここまで準備できれば、後は、ひたすら撮るだけです。
また、モデルさんは、ストロボ発行による一瞬だけの瞬間を写していますから、フレームアウトにならない範囲で、自由に動いてもらって全く問題有りません。
1.モデルさんをスタンバイして画角決め
星空とモデルさんを撮影しますが、モデルさんは高い位置にいてもらうと、星空を広く写せます。
星がメインか、女性モデルがメインかを決めて、画角をセットします。
2.カメラを三脚に固定して星空の試写
この時は、星とモデルさんの配置をしっかり決めます。
実際には、ファインダーは真っ暗ですので、モデルさんにちょいとLEDライトを当てると、画面のどの位置に居るかがわかります。
3.本番撮影、まず女性モデルにピントを合わせてストロボ撮影します
星空設定で撮影開始しますが、最初は女性にマニュアルでピントを合わせておきます。
(例)ISO800、シャッター30秒、絞り開放、距離は女性までの距離をマニュアルで設定。
この時、配置したストロボを手動発光するための、無線コントローラーをてに持っておきます。
4.30秒の内、最初の方でストロボを手動発光させます
30秒は結構長いので、最初に1回だけ、ストロボを手動発光させます。これで女性が写ります。
星はこの時ピンぼけのはずですが、光が弱いので、全く写って居ません。
5.ストロボ発光後、すぐにレンズの距離を∞まで回す
女性は真っ暗なので、その後はほぼ写りません。しかし、今度は星にピントが合っていますから、星空が写ります。
【注意点】
- ピントリングを回すとき、カメラがブレないようにしましょう
- カメラレンズを∞にしようとして、リングを∞方向一杯まで回すと、ピンぼけになる場合が有ります
- レンズの真の∞位置は、ピントリングを一杯まで回した位置からわずかに戻した所にあることが多いです
この方法は、ちょっと変わったアレンジも可能
1回目のストロボ発光後、モデルさんにちょっとだけ移動してもらって、再度ストロボを発光すると、同じ画面にモデルさんが写ります。
いろいろアレンジができますので、楽しんでみた下さい。

合成なし、星空と女性の撮影に適した日時について
星空と女性の撮影には、適した日時と適さない日時が有りますので、それについて解説します。
撮影に適した場所と時間帯の選び方
せっかく撮影するなら、最高のコンディションで挑みたいですよね。
場所と時間帯の選び方も重要です。
光害(こうがい)が少ない場所を選ぶ
街中ではどうしても光が空を明るくしてしまい、星が見えにくくなります。
できるだけ郊外や山間部など、周囲に街灯が少ない場所を選びましょう。
私のいる種子島では、街中を避ければ光害は有りませんので、どこでもほぼ問題有りません
月のない夜を狙う
星空撮影は、満月近くになると夜空が明るくなり、星が目立たなくなります。
撮影には「新月前後」がおすすめです。天気アプリや月齢カレンダーでチェックしておきましょう。
天気予報アプリを活用しよう
雲が多い夜は星が見えません。良く晴れた日を狙いましょう。
「GPV気象予報」や「SCW天気予報」など、雲量までチェックできるアプリを使うと安心です。
チェックと微調整
撮影後、必ず画像を確認しましょう。
明るさはどうか(ISOの設定)、拡大して星が流れていないか(シャッター時間)、モデルがブレていないか(マニュアルでのモデルまでの距離)、ストロボの光は適正か(ストロボの配置と出力)を見て、必要なら設定を調整します。
初心者は、真っ暗な中でのこの確認をせずに大量に撮影して、全コマ失敗に終わる場合が有ります。
女性の都合が最も大事
最高の天気に月も細い状態、こんな時、カメラマンは『今日は絶対撮りたい!』って思いますよね。
でもモデルの女性の都合が悪い場合は、諦めて星空撮影にしましょう。
流星群の頃がお勧めです。
シニア世代だからこそ楽しめる、星空ポートレートの魅力
星空ポートレート撮影には、シニア世代ならではの魅力があります。
- 時間にゆとりがあるからこそ、じっくり挑戦できる
- 体力的にも無理のない範囲でできる
- 家族や友人、孫との思い出作りにもぴったり
「忙しい毎日」から少し離れ、自分自身と向き合う豊かな時間にもなるでしょう。
また、失敗しても再チャレンジすれば良いのです。
FAQ(よくある質問)を想定してみました
Q:初心者でも本当にうまく撮れますか?
A:はい、大丈夫です!この記事のポイントを押さえれば、初心者でもきれいな写真が撮れます。
Q:女性モデルがいない場合は?
A:ナンパしましょう!といってもシニアの方には難しいですよね。身近な家族や友人・知人に協力してもらうのがおすすめ。難しければ、自分自身をセルフポートレートで撮るのも面白いです。
Q:一人で撮影しても安全ですか?
A:夜間の野外撮影は、友人を誘うなど、なるべく複数人で行動しましょう。女性もその方が安心できるはずです。また安全確保のためにも、人里離れすぎない場所を選び、ライトや防寒具も持参しましょう。
合成なし!合成なし!夜の星空と女性を同時に撮影するテクニック まとめ
星空と女性モデルを、合成なしで撮る方法をまとめると以下の通りです。
- モデルさんをスタンバイして画角決め
- カメラを三脚に固定して星空の試写
- 本番撮影、まず女性モデルにピントを合わせてストロボ撮影します
- 30秒の内、最初の方でストロボを手動発光させます
- ストロボ発光後、すぐにレンズの距離を∞まで回す
星空と女性モデルを合成なしで撮影する技術は、誰でも身につけることができます。
シニアの暇つぶし、そして生きがい作りにもなる素敵な趣味として、ぜひチャレンジしてみてください。
新しい趣味で、毎日がもっと楽しくなるかもしれません!
夜空を見上げたとき、「この一瞬を残したい」と思える幸せが、きっとあなたを待っています。

